フライトホールディングス企業分析その2
<企業分析>
業界: 業界規模 0.6兆円 伸び率 8.8% 利益率15.4%
フライトHをソフトウェア業界とする。この業界はコンピューター上で様々な処理を行うプログラムのこと。PCにインストールして使用する文字入力ソフトや図表作成ソフト、法人向け管理ソフトなどの他に、家電製品や車のようなハードとソフトが一体となった製品の開発などユーザーニーズに合わせた機能や役割をもつさまざまなソフトウェアを開発。
業務内容は、営業、システムの企画提案、開発、保守である。営業では、まず、パッケージ営業がある。これは、自社製品のソフトウェアを販売する。次に受託開発営業がある。これは、受託企業に特徴的であり顧客からの引き合いでシステム開発を請け負う。最後にSES営業がある。システムエンジニアを求める企業に対してエンジニアを派遣する職種。システムの企画提案では、システムエンジニアが顧客へのヒアリングを行いシステム設計をする。すべての工程に関わることもある。開発保守では、プログラマーがシステム設計書に基づきシステムの開発をし、保守まで行う。
課題は人材不足である。近年プログラミング言語の多様化、トレンドの移り変わりの速さ、育成に時間がかかるからである。これを補うためにさらに優秀な人材を奪い合う可能性もあるからである。
今後は、AIやビックデータにより膨大なデータも解析可能となる。また、iotへの対応など企業のIT投資が活発のため需要が高まるだろう。クラウドを活用したソフトウェアを提供するサービスも進んでいる。このような中で、個人情報の取り扱いも今まで以上に厳正な管理が必要となっている。サイバー攻撃への対策など各企業にとってますます重要となる。
業績:まず、貸借対照表指標を分析する
貸借対照表指標 |
19・3 |
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38% |
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249% |
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144% |
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固定比率 |
29% |
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固定長期適合比率 |
17% |
自己資本比率は38%である。昨年より悪化。利益剰余金の低下が著しい。理由は、恐らく、取引先への支払いや税金、土地の支払いえおするために取り崩しているのだろう。
流動比率は249%である。前年より低下。理由は、現金、売掛金の低下である。現金を取り崩して、支払いに回し、かつ、売り上げが伸びず、売掛金が減少している。また、流動負債も増加している。受注損失引当が計上されており、プロジェクト失敗が起こっているのだろう。
当座比率は144%である。昨年より減少。正直、これ以上借金を増やすor損失の拡大が広がると、資産の売却による返済が行われるだろう。もしくは、更なる、借金である。これを防いでもらいたい。
固定比率は29%である。昨年より増加。経営状態が悪いため、設備投資をしている場合ではないため、固定資産も変化していない。
固定長期適合比率は17%である。昨年より増加。固定負債が増加しているためである。まだ、利益剰余金でカバーしているが、前年より、ひどくなっているため、借入金の増加が見込まれる。
次に、損益計算書指標を分析する
損益計算書指標 |
19・3 |
売上高総利益率 |
15% |
売上高営業利益 |
マイナス |
マイナス |
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マイナス |
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マイナス |
売上高総利益率は15%である。昨年より低下している。主な原因は、受注の来季への後ろ倒しによるものである。これにより、売上高の減少が見られた。サービス事業における「incredist」の大口顧客の納品が来期予定となっているため期待大
売上高営業利益率は赤字のため計測不能。昨年より悪化している。販管費は大きくは変わらないため売上高の減少が主な要因だろう。
売上高経常利益率は計測不能である。昨年より悪化。営業損益はプラスとなっている。為替差益によるものである。また、支払利息が増加しており、事業資金の借り入れが考えられる。
ROAは測定不能である。昨年より悪化。特別損失は大きく変わらない。来期は受注残+新規受注が入るため前期の利益を更新するのでは?
ROEは測定不能である。昨年より悪化。自己資本も減っているため、来期が仮に+の場合、ROEは急上昇するだろう。
次にCF計算書を分析する。
CF計算書(百万円) |
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営業CF |
-213,914 |
投資CF |
-37,376 |
財務CF |
-2,351 |
営業CFは―213,914である。昨年より悪化。理由は当期純利益によるものである。棚卸資産は増加しているが来期に後ろ倒しになったものである。仕入れ債務は減少している。これは、新規製品製造or大型受注によるものだろう。
投資CFは―37376である。昨年と変わらない。固定資産を新たに取得している。製造機なのだろうか?もしくは新事業所?恐らく資金は、利益剰余金から出している。
財務CFは―2351である。昨年より増加。短期借入、長期借入がともに増加している。そして、返済が減少している。資金繰りの悪化がよくわかる。