タケエイ企業分析その2
<企業分析>
業界:業界規模3.9兆円△ 伸び率5.0%〇 利益率1.0%△
四季報ではサービス業であるが、メイン事業が廃棄物処理のため廃棄物処理業界として扱う。業界概要はあらゆる業界の産業廃棄物の処理を行う。排出量は業界によって異なり、電気・ガスなどライフラインを維持する業種、農業、林業、建設業の分野で全体の70%の産業廃棄物を排出している。そのためこれらの業界の影響を受けやすい。
業務内容は一般的にごみ収集である。それと同時にゴミのデータを取り企業や自治体へゴミのデータを提供している。また、「アップサイクル」と呼ばれる概念が外国から入ってきた。これは、廃棄物に付加価値を高めて商品として販売する方法である。例えば、長靴を鉢に変えたりして使うことだ。
課題としては、利益と環境改善を求めることが難しいことである。不用品を買い取り、修理・清掃を行い、市場へ流すユースビジネスと比べ事業を行うために多くの資金が多くかかる。
また、環境改善を求めると廃棄物が出ず、仕事が成り立たない、逆に利益が多く出るということは環境改善ができてないということである。また「環境にやさしい」だけでは市場で勝てなくなっている。それが当たり前となっている近年、新たな差別化を行なわなければならない
今後としては産業処理業の業者数が2009年をピークに年々減少している。これは、企業の集約化が進んでいるということである。この背景には、法律の改正がある。産業廃棄物収集・運搬業許可の合理化が進んだということだ。また、M&Aが活発である。新しい技術を目的としたものが多く、これを海外へ進出する足掛かりとする。また、環境への配慮が進んでいるため、廃棄物処理場の減少が進む。これにより、競争が激化し、廃棄物処理場の確保に企業が動く。また、許認可制の事業のため新規参入が難しいため、M&Aにより参入するケースしか考えられない。
業績;貸借対照表分析を行う
貸借対照表指標 |
20・3 |
34% |
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138% |
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115% |
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固定比率 |
210% |
固定長期適合比率 |
90% |
自己資本比率は34%である。昨年と大きく変わらない。普通に低いとみる。資産のなかで大きくウエイトを占めるのは固定資産である。負債では固定負債である。つまり、処理のための収集、運搬、処理場などの設備投資に投資を行いその修繕費などにも多額の投資を行っている。自己資本では賄えないため、長期負債で借りている形。利益率が良ければ問題ないのだが。
流動比率は138%である昨年と大きく変わらない、現金、売上債権が大きく増加、その分短期借入金も増加しており、not利益yes借入金でキャッシュを増やしたのか?
当座比率は115%である。昨年と大きく変わらない。負債では短期借入金が増加し、有形固定資産等に利用したと思われる。かえって、長期借入金の返済が進んでいるため、利益をそちらに回しているのでは?
固定比率は210%である。昨年より増加。とてもよくない。自社株買いを行い、株主還元を行っている。また、建築物、機械、工具、最終処分場などの固定資産が増額している。これは、恐らく横須賀の工場新設によるものだろう
固定長期適合比率は90%である。昨年より低下している。固定負債の増加が原因。特に社債の発行、圧縮未決算特別勘定の増加によるもの。社債は事業拡大のため、圧縮記帳は補助金で購入した資産の損金勘定だろう。
次に損益計算書を分析する
損益計算書指標 |
20・3 |
売上高総利益率 |
22% |
8% |
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8% |
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3% |
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6% |
売上高総利益率は22%である。昨年と比べ大きく変わらない。売上高の増加とどうじに売上原価も増加している。売上原価の増加は子会社タケエイメタルの金属スクラップ相場の下落と処理費用の増加によるものであると考える。
売上高営業利益率は8%である。昨年より減少。全体としても低い。販管費が売上高と比例して増加、恐らく、M&Aによる人件費の増加ではないのか?給料及び、手当の項目が増加しているからである。
売上高経常利益率は8%である。昨年より増加。営業外費用の低下が主な理由である。貸倒引当金繰り入れの勘定がないためこのようになっている。しかし、社債の発行や支払利息が昨年より多いため、来季は増加するのではないか?
ROAは3%である。昨年より増加。しかし、圧倒に低い。売上高経常利益率が低くい。これは事業的に資産が増加するため費用が多くなるからだろう。また総資本回転率は00.5回転しかできていない。効率が悪い。これを改善するために、有形固定資産の減少or利益の追求を行ってもらいたい。
ROEは6%である。昨年より増加。特別利益の増加と特別損失の減少が大きい。災害があったものの、復旧しており、また、機械の損失がなかったことが大きい。
次にCF計算書である。
CF計算書(20・3) |
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営業CF |
5,354 |
投資CF |
-7,963 |
財務CF |
4,714 |
営業CFは5354である。昨年より、増加している。売上債権、仕入れ債務、棚卸資産は増加している。債権増加は売り上げ増加によるものだろう。仕入れ債務は燃料チップの搬入量が増加していることが原因。棚卸資産の増加は、仕入れ増加による使われてない在庫が増えている。つまり、チップやゴミなどがたまっている。来期に期待なのか?
投資CFは―7,963である。昨年と大きくは変わらない。国庫補助金による収入が増加、これを固定資産への支出に、回している。なので、有形固定資産は増加している。更にこの傾向は強まるだろう。
財務CFは4,714である。昨年より増加。短期借入の増加と社債の発行収入によるものである。長期借入は減少しているため、一時的に増えたのだろうか?